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-7. 伝統と革新 技術と創造

料理の世界って伝統的な技法というか基本がありますよね。
そういう魚の仕込み方ってどこかで習われたんですか?

修業時代に習ったと言うより、自分で勝手にやってるんですね(笑)
料理やもの作りの世界って先人から伝承されてきてるわけです。
そうするとみんな当たり前だと思ってそれをそのまま覚えちゃう。
なんでそうするの?っていう疑問を持たずに、
こうするものだって教わってくるから、良いも悪いもなくそのままやる。
例えば、大根の角を削る面取りってあるじゃないですか。
和食屋さんの煮物とか必ず面取りしてある。
でも、なぜ面取りするんですか?

煮崩れしないように、ですかね?

そう煮崩れを防ぐためでしょ?
でも、鍋や具材を動かさなければ崩れないんです。
だけど必ず面取りしろって言われる。
でも面取りしたらかっこ悪いじゃないですか(笑) 
角立ってたほうがきれいでしょ?
だからうちは面取りしたことないです。
崩れないから。崩れないように作るから。
崩れるのは動かすから崩れるので、動かさなきゃいい。
うちの料理はおでんでも面取りしないから角が立ってるんです。
ほら。これがうちのおでん。

ほんとだ…かっこいいおでん!

あと、梅干しってみんな最初に干しますよね。
三日三晩干して最後は夜露に当てるんだよって。
だけど、ざるに入れて干したら梅同士がくっつくじゃないですか。
そしたらつぶれるでしょ?
これ、うちで今年漬けた梅干し。まん丸。

塩分7%くらいかな。
普通は15%とかですよね。腐らないようにって。
でもうちのは塩分少ないんでプラムみたいな味がします。
それでも腐らないんです。
甕に入れて甕ごと干すんですよ。そのへんに(笑) 
7%だと塩漬けの時にカビちゃうんですが、
うちは1回も腐らせたことないです。

かわいい梅干しですね(笑)
あ、ほんとだ!しょっぱさが抑えられてて、梅の果実の感じが残ってますね!

教わったことを疑問に思わないとダメなんですよね。
だって教えた人も理屈がわかってないんですから。
まあ何から何までぜんぶ疑問に思ってやってるわけじゃないですが(笑)

三浦さんはどういう時に疑問に思うんですか?

面倒くさい時(笑)
だってラクしたいじゃないですか(笑)
面取りとか三日三晩干して、とかすごく手間がかかる。
魚の仕込みも自分で勝手にやってるんです。
ただ教わった通りじゃなくて、それに疑問を感じながら、なぜそうするのか理屈を考えてやってる。
誰かに教わったわけじゃないんです。

それはそれですごいですね…
伝統を超える革新、みたいな…
R18には「伝統と革新」っていうコンセプトがあるんですけど、
伝統を疑問と理屈で超えて革新へ、というのは通じるものがあるように思います。

三浦さんってお魚とかお料理もそうですけど、
お酒もお好きでこだわり続けてらっしゃるんですよね。

これはね、満寿泉さんと出会わなければそうならなかったと思います。
ここのお酒ほどきれいでおいしいお酒はない。
ここまで素直に飲めるお酒ってなかなかないんですよ。
…って話をしてたら…社長!

(桝田酒造 桝田隆一郎氏 EPISODE14登場予定)

取材中にすみません!
三浦さん、今日の5時半くらい、ちょっといいですか?
「敵」がくるんで…

「敵」って誰ですか(笑)

ライバルのことを「敵」って呼んでるんですけどね(笑)
造り酒屋って敵が多くてぜんぶ勝ち負けなんですよ!
昨日は□□□(某有名日本酒)の社長が来たから軽くやっつけといたんだけど、
今日は〇〇〇(同上)の社長が来るんで、うまい刺身を何枚かだけ食べさせて
蕎麦(口岩さん)に行きたいと思ってるんです。
滞在時間15分くらいなんですけど…

あいかわらず忙しいですね(笑)

やっつけなきゃいけない相手が来るときは、
こうして皆さんに無理を言うんですよ(笑)

わかりました。
いま、ちょうどお酒の話をしてたところですよ(笑)

登場のしかたが神ですね(笑)
そしてもう行っちゃった(笑)
今夜もVIPをお刺身でおもてなしするんですね…
いいなあ…
カウンターの目の前でお魚に包丁が入っていくところ見ながら、
そしてそのお魚の話を伺いながら次々においしいお刺身…
目でも耳でも舌でもお魚が楽しめるってすごい贅沢ですね。

刺身も盛り合わせにしちゃうと、みんな一緒くたになっちゃうじゃないですか。
最初はいいけど、だんだん手を付けなくなって、最後はどれが何だかわかんなくなって残っちゃう…
舟盛りとかも食べれらないものがいっぱい乗っかってるでしょ? 
だからうちは刺身を一切れずつ。

一切れ一切れ大切に提供されるから食べる方も大切に味わえるんですね。
R18も、いろんな機能や魅力が詰め込んであるんですけど、
こういう風に少しずつ大切に出されると新しく見えてくるものがあるかもなあ…
オートバイと舟盛りを一緒くたにするなって話ですけど(笑) 
お客さまに魅力を伝える新しい方法のヒントをもらったような気がします。

お役に立ててますかね(笑)
私は刺身切ってるだけですけど(笑)

-8. 革新を追い求めていたら伝統を支えていた?

このRelation18っていう取り組みは、R18っていうオートバイの魅力を
いろんな人に知ってもらうためにやってるんですね。
で、他のオートバイだと、すごいスピードが出ますよ、とか、どんな悪路でも走れますよとか、
それぞれ特徴が決まっていて、そのオートバイを何の目的で乗るか、
そのオートバイでどう遊ぶかっていうのはぜんぶ決まってるんです。
でも、このR18は、とてもよくできたオートバイなんだけど、それをどう楽しいんでいいのか、
明確に「これ!」って言えない。逆に乗る人に託されてるというか…。
なので、いろんなR18の楽しみ方を知ってもらって、R18がある人生って
こんなにいいものなんだよっていう、R18ならではの世界を作っていければなと
思ってるんですけど、まあなかなか難しいんです…

ツーリングとかしたら楽しそうですよね。
乗ったことのない人に貸してあげていっしょにツーリングするとか。

あー、いいですね!
オートバイで遠くに行っておいしいもの食べて仲間と語らって帰るって
いうのがツーリングの醍醐味だったりするんですけど、なぜツーリングに行きたくなるか、
脳科学者の先生が調べたらしいんですね。
それによると、オートバイで温度とか匂いとか景色とか、
いろんなものを体で感じながら乗ってると、見かけた景色の印象とか、
その時に食べたご飯とか友だちとの会話の記憶が脳に5倍強烈に残るんですって。

へえー、そうなんですね!

実はいま、サンライズ・サンセット・ツーリングラリー(SSTR)っていうのが、
ちょっとしたブームになってまして、太平洋側の東海岸で日の出を見てスタートして、
その日のうちに日本海の海辺で日の入りを見るっていうツーリングなんですね。
日本で唯一車両で走行できる公道の砂浜が、石川県羽咋(はくい)市の
「千里浜」にあるんですけど、そこがゴールなんです。

そうなんですね。ここからそんなに遠くないですね。

いま空前のブームで、参加人数がすごく増えてて。
それもあって、関東から北陸の方、新潟とか能登まで行って
遊んで帰るっていうのも増えてて、こちら方面ってオートバイ乗りにとっては
大注目なんですよ。

そうなんですね…
ん?…そう言えば、富山の端っこに朝日町翡翠海岸ってあるんですが、
5月の連休前あたりに海から日が昇るんですよ。

え?日本海側なのに?しかも富山に?

みんな氷見まで見に行くんですよ。
あそこまで行くと海から太陽が上がるって。
だからサンライズサンセットって富山で完結できる(笑)

じゃあ春にやりましょうか(笑)

ちょうどホタルイカが獲れる時期でいいですね(笑)

ちょっと思いついちゃったんですけど、さっき、お店を完全紹介制にしたら
誰も紹介してくれなくなったって、おっしゃってたじゃないですか。(注・現在は紹介制を解消)
こんなに素敵な空間があって、そこでこんなに贅沢なお食事が味わえるのに、もったいないなって。
じゃあ、モトラッド世田谷でR18を購入された方には、ねんじり亭さんをご紹介します、
っていう特典を付けるのはどうだろう、って!
R18に乗るとこんなにおいしいお刺身が味わえるよ、
ツーリングした先でこんなに素敵な時間が楽しめるよ、っていう
サービスはすごくいいと思ったんですけど…どうでしょう?

それは私としてもすごくうれしいです(笑)
遠くからオートバイでわざわざ来ていただける。
そして富山湾のおいしい魚を楽しんでいただける。
ありがたいことです。

じゃあ詳細を詰めさせてください!
今日はおいしいお刺身といろんなお話をありがとうございました!
あー、お酒飲みたかったなあ…

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