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-7. 目指しているのは
「職人の再生・産業の再生」

いま事業もうまくいってらっしゃるわけですが、今後こうしたいとか
こういう風にやってみたいとかありますか?

いっぱいあります!
やりたいこと自体はいっぱいあって、僕らってビジネスモデル的にはDtoCというやつですね。
もともとマーケットイン型ではなくプロダクトアウト型の人間なので、
売れるものを作るっていうより、自分たちが作りたいものを作ってどう認めてもらうか。
いま僕は上着のブランドもやってるんですね。パンツは必死でやっていたので
「どうやったら上手くいくか」の理論を説明しにくいんですが
上着のブランドで再現性があるブランド作りをしています。
こういう時はこうすればいい、こうなってきたらこうすればいいと、
再現性があるものになってきたら、同胞の縫製業界の人達に渡すことができるんです。
僕らが会社として最終的にやりたいことって、職人の再生であり職業的地位の向上なんですよ。
それをやるために僕が考えたゴールとしては、海外で売れるブランドを作りましょうとか、
ただ言うだけじゃなくて、実際にこういうやり方をすればこういう結果が生まれますよっていう
コンサルティングを含めた「業界の改革」をやりたくて。
それをやらない限りは若い子も入ってこないし、いま、中国資本に日本の工場が買われてますよね。
Made in Japanを売りにする気はないですけど、かっこいいものがあるね日本製なんだねって。
今まで作り上げられてきたMade in Japanが消えていくのはさみしいじゃないですか。

着る人にとってマイナスになったりしますよね。

だったらMade in Japanを残すためにも、自分たちが企画したものを売れるようにする。
もの作りの業界は、自分たちで企画したものを売らない限り利益率がすごく低くて、
川上の産業から買いたたかれて、泣かされたりすることが多い業種でもあるんですよ。
そうじゃなくてDtoC型のビジネスで工場が回せるんだったら、利益もよくなるし、
僕らが修行してたような丁稚奉公もなくなるはずなんですね。
そうなって一般の会社さんくらいの給料がもらえるようになれば、
もの作りをやりたい若い子たちが絶対集まってくると思うんですよ。
そのために必要なことって、これを作れば売れるよ、ではなく、
こういう仕組みにすれば売れるようになるよっていう、
魚を渡すのではなく、魚釣りの方法を教える人が必要だと思うんです。
その魚釣りの方法を教えられるメンバーを今作ってるっていう感じです。

そういう考え方に賛同する人は多いんですか?
業界の中でいくと、やっぱり皆さん変わりたくないって思いますね?
バイク業界もそうで、いいことにしろ悪いことにしろ、今までと違うことをしようとすると
すごく反発されるんです…。

ほとんどの方がそうだと思います。
ただ、いまこの現状を見ても、いまのままじゃ無理だねって、経営者の人は絶対わかっているので、
ただそこで変わることの方が怖いって思う人が圧倒的多数だと思うんですよ。
ただ変わらない限り先がないことと変わることの怖さを天秤にかけた時に、
どこかのタイミングで「変わらなきゃやばい!」になるんですね。
その時に頼れる先がないとただ潰れてくだけなんで、その時までに僕らは完成させてないといけない。
なのでさっき言ったプランを完成させるためにも、僕たちは、2年以内に工場を作ろうと思ってます。
いまはアトリエだけですけど、工場を作って、これならうまくいくでしょ?っていう
成功例を作れば、みんなの指針になると思うんですよ。
そのために物件を買って広いところに行こうとしてるし、工場を作ってうまくやる方法も考えてるし、海外にも商品を卸したりしているんです。
ただ、そういう風にやってる業種って日本にはまだまだ少ないので、
成功例を作らないことには誰も話を聞かない。職人業界あるあるですね(笑)
結果出さないと誰も認めないので。

五十嵐さんって、お話をすればするほどもっと話したくなりますね。
話してて後ろ向きな発言がない。

-8. R18の魅力について

五十嵐さんから見たR18の印象とか教えていただけますか?
ご自分が考えてることとR18で、どんなことならいっしょにできるかな、とか。
何か想像されてることってありますか?

お店で見た時もかっこいいと思ったんですけど、やっぱり外で見るとかっこいいんですよね!
このバイク乗る人っておしゃれを楽しみたい人も多いはずなんです。
いまはどのメーカーもSSタイプのバイクって多いじゃないですか。
で、早く走るためのかっこよさというのもわかる。
でも、このバイクって、もちろん速く走ることもできるんですけど、
バイクといっしょにいる時間を楽しむことができるバイクだと思うんですよね。
そうなった時に僕らがクロスオーバーできることって、
これを着たときにみんなにどういう印象を与えたいか。
そういうことを含めた提案だったり、服を交えた、バイクを楽しむだけじゃなくて
自分とセットでバイクをどう楽しむかみたいなことが提案できたりすれば、
服屋としてのサービスとか、これをよりかっこよく見せるアイテムということで、
いろいろクロスオーバーできるんじゃないかなと。
服以外でもできると思うんですよ。
僕らって服を作って売るだけが仕事じゃなくて、いろんなお客さんをマッチングする
仕事でもあったりするんですね。
信頼をいただいてやってけてる人間なので、こういうバイクを通じた
こういうイベントを開きましょうとか、バイクつながりとか服つながりで、
新しいコミュニケーションだったり、コミュニティを作ることはできると思うんですよね。

R18でまだそういうものがないんですよね。
今まで装備とか性能とかで売ってたバイクがとても多かったんですよね。
これは真逆なものなんです。
あれがいいというだけじゃなくて、乗ってる自分や
所有するライフスタイルぜんぶだよっていうバイクって
今まではバイクに乗りたい、バイクがあれば後はおまけでいいとか
そっち側の人が多いので、服装などのスタイルから入るバイクなんて皆無ですし
バイクは買ったけど着てるのは黒ずくめで、知らない知られてないというのもあると思うんですけど、そういうところを五十嵐さんといろいろできたらなあと。

僕もバイク乗り始めたのは最近ですけど、やっぱりBMWと言えばこのバイク、という
イメージとかもあるんですね。
単純にかっこいいよねって思ってる僕のような浅い人間からしてもそうですが、
趣味におカネをかける余裕がある人って見た目で選ぶんですよね。
見た目で入る時にすごく入りやすいバイク。

わたしもいろんなバイクに乗ってきたし、いまもそうなんですけど、
まったくバイクに興味がないうちの子がいちばんかっこいいっていうのはこのバイクなんですよね。

絶対そうだと思いますね。バイクらしいバイク。

BMWが来年100周年なんですけど、100年やって出した答えがこれなんじゃないかと。
いろんなバイクを出してきて、性能としては人間が扱えるレベルのものじゃない
バイクまで出してきてる。
これからは電動だよとか言ってる時代に敢えて出してきた。
いちばん最初に作ったバイクに似てるんですけど、
これがいちばん「BMW」なんじゃないかな、と思うんです。でも、時代的にはごく逆風が吹いてて…
いま、BMWのバイクに乗りたいなと思てる人でも、このバイクのこと知らないんです。
特におしゃれな人たちがこれを知らないんです。接点がないというか…。
ファッションのイベントとかに持ってきてもらったりとか、洋服に興味のある人とかにも
いいんじゃないか。むしろそっちの方の人にいいんじゃないかって。
いまBMWに乗ってる人からも、これってハーレーでしょ?って思われてて…。

僕が見た印象は、似たバイクはあるかもしれないけど、これは上品なんですよね。
ヨーロッパぽさがすごく出てるし、あくまでもクルーザーと言うイメージなので、
乗り手のスタイルによってどんどん印象が変わる気がします。

バイクはスペックすごく大事なんですけど、何のために乗るバイクかと。
サーキットならスペックも重視なんですけど、楽しむために乗るわけじゃないですか。
楽しむために乗るのにあそこまでのオーバースペックは必要か?と。

あれはあれで楽しいんですけど、あればっかり乗ってると疲れるんですよね。
スポーツカー持ってる人だって、時にはSUV乗りたいと思ったりするじゃないですか。
全く違う車種だから楽しみ方が違うし。
そもそも1台で完結するっていう考え方が間違いだと思うし、
用途によって使い分けるバイクとしてもすごくいい。

それ究極なんです。みんなできればそうしたい。
でも、なかなかそうもいかない。
1台しか選べないってなるとなかなかむずかしいなあって。

S1000系に乗ってたらなおさらこっちだと思うけどな。
だって速度制限多すぎるじゃないですか。
R18だとロングツーリング、すごく楽しそうだし。

そうなんです。道のりそのものが楽しくなるようなバイクなんですよね。
目的地に着いて楽しむ、というのもあるんですけど、それまでの道のりも楽しめるようなバイク。

そうですね。
でも、乗物って1にも2にも単純に見た目が大事だと思うんですよ。
これはめちゃくちゃかっこいい。まずはそこだなあ。

場所が違うとほめられるなあ(笑)
ショールームだとあまりほめてもらえないんですよ。
他のバイクを目的に来てるので、スペック重視の人には目に入らないんですよね…。
ちょっとそこが悲しい。

なんかもったいないですけどね。
湖畔とかだとほんと写真映えしそうだし。
でも写真よりかは、実物がすごくかっこいいじゃないですか。
実物を見せる機会が多いといいんじゃないかなって思います。

-9. Relation18いよいよ始動!
~インストアライブ予告~

今日は五十嵐トラウザーズさんにおじゃましてるんですが、来月はMottorrad世田谷に来ていただいてインストアライブに参加していただく予定なんですよね。
何か、してみたいこと、期待してることってありますか?

バイクに乗る時の服装を考えるだけで、こんなにも周りから見た時の印象が違うんだって、
そういう体験は提供したいですね。
バイクってクルマと違って全身見られるんで、服装の大事さってものすごくある。
レースバイクに乗ってるときにレーサーの服とかってかっこいいじゃないですか。
それと同じでこのバイクに乗る時の服って必ずあるので、そのTPOに合った服で乗ると
よりかっこよくなるんだよっていうのは伝えたいなと思います。

世田谷で服のオーダー会をやったりするのって可能ですか?

あーいいですね!やりますやります!
バイク乗った時の採寸とかできるし。
クルマ好きのお客様も多いんですけど
例えばフェラーリのDINOを買いましたと。
そんな時どんな服で乗ればいいかなとかって聞かれることが多くて
それだったらピカピカのスーツじゃなくてこっちでしょ!っていうのがあるんですよ。

ああ、いい!R18のそれ版やってほしい!
わたしもこの前に乗ってたのはGSだったので、見た目じゃなくて完全に機能性重視。
バイクは見られるけど乗ってる人は見られない。
だからぜんぜん気にしなかったんですけど、これに乗り換えて
「ちゃんとした服着たいな、でもこれに似合う格好って何だろう」って思ってたんです。
革ジャンとか合うんでしょうけど、こんな暑い時とか着れないしずっと悩んでました。
「R18スタイル」とかってあればいいなあって。

それはねえ、もういくらでもありますよ!
いろんなアイディアが浮かんできています。

それってデッサンとかしていただけたりするんですか?

トルソーだとイメージが固まりすぎちゃうので、
口伝えでイメージしていただくのがいちばんいいかと。

インストアライブの中継もやりますから、イラストとかあるといいなあ。

ああもうイラストとか描きますよ!絵心あまりないんですけど(笑)
でもそういう表現も含めて楽しんでいただけたらと。
お客様にわざわざ集まっていただくので、来た以上は楽しかったって帰っていただくのが
イベントのゴールだと思います。

他のバイクじゃできないですね。
ゆったり乗るからこそかっこよくできると思うんです。

じゃあ手始めに佐藤さんを全身コーディネートしちゃいますよ!

うわーうれしい!それでこの先のイベントに着ていくようにします!

じゃあ採寸させてもらっていいですかね。

えー!ほんとに!
着心地がよくないと選ばれない服になっちゃうんですよね。
開放されて楽しむためにバイクに乗るのに拘束されちゃうみたいな服だと全然楽しめない。
でもこのバイクに乗る時はそういうとこも我慢してちゃんとした服を着なきゃいけないのかなって
思ったりしてて、悩ましいなと思ってたんです。
ちゃんとしてるんだけど着心地がいい服があるといいなあって。

悩みやお話をしっかり伺えたのでいいご提案ができると思います。

乞うご期待ですね!

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