さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
第4回は、空手の魅力を世界中に伝えるために「空手をDXする」活動をされている、全日本空手道連盟 副会長 笹川善弘氏とBMW R18公式アンバサダー・佐藤陽子による対談です。
日本空手道会館の道場にお伺いして、様々な取り組みを見せていただきながら、「伝統と革新」について興味深い話がはずみます。サプライズゲスト?のご登場もお楽しみください。
R18アンバサダーを努めるなど、より多くの人にブランドを体感して頂けるよう、日々活動中。
- -1. 空手をDXする① ~空手スタッツ~
- -2. 空手をDXする② ~360度ムービーシステム~
- -3. 全日本空手道連盟スローガン
「Break Through~伝統に革新を~」 - -4. 空手をDXする③ ~空手パブリックビューイング~
- -5. サプライズゲスト、降臨!?
- -6. 空手界の今後 ~革新にゴールはあるのか~
- -7. 「R18」の今後 ~「エモいバイク」を伝えたい~
- -8. 「日常」の中で心が動くバイク「R18」
- -9. インストアライブのテーマは「バイクは武道だ!」
~空手スタッツ~
わー広いですね!
こんな神聖なところにおじゃましてお話したりしていいんですか?
大丈夫ですよ。
ここでミュージックビデオの撮影とかもやりますから(笑)
最初にこのお話をいただいた時に「日本の空手の総本山の方!? どうしよう!」とおびえてたんです…
「『押忍!』の声が小さい!」とか怒られたらどうしよう!とか…
そしたらこんな奴が出てきて(笑)
イメージと全然違いましたね (笑)
空手家の方ではなく、エリートビジネスマン!みたいな!
小学生から大学までアメリカで暮らしてまして、スポーツは大好きなんですけど
当時、空手はまったく興味なかったし、今でもやってないです。
えー!
こういうポジションにいらっしゃってやってみろ!とか言われないんですか?
ちょくちょく言われるんですけど道着も着たことないです(笑)
今のポジションは空手を世界に広めるための広報、国際担当とかをやってるんですけど、選手も含め、一般の多くの方々に空手をわかりやすく伝えるための仕事をしています。
なので、空手にどっぷり浸かっちゃうと逆にあまりよくないんじゃないかなと。
なるほど。
ん?選手にもわかりやすく?ですか?
そうなんです。
例えば、空手の競技には、相手と対峙して技を出し合う「組手」という種目と、あらかじめ決められた所作を競い合う「形」があるんですけどその「形」も、道場に行って、先生や先輩がやってるのを見て教わりながら学ぶわけです。
あー、テレビで見ました!
気迫とかスピードとかすごくて何が何やらよくわからなかったけどすごかったです!
そうなんです。「よくわからない」んですよ。
組手はトップレベルの選手にもなると技が速くて、一般のお客様からは「すごいんだけど、速くてわからない」という声をよく聞きます。
例えばサッカーだと、ボールを足で蹴ってゴールに入れば点が入る。誰が見てもわかりやすいじゃないですか。
でも空手はそうじゃない。一般の方に伝えるにはもっと楽しく、わかりやすくしないと、と考えた時に、他のスポーツにあるような「スタッツ」という、競技の成績の数値化を導入してルールやポイントを格闘ゲームみたいにわかりやすく紹介するシステムを作ったんですね。
うわー!おもしろい!
これをこの前の大会の前に見ておけばもっと楽しめたかも!
空手というよくわからないもの、よくわからないんだけど、わかるとすごく奥が深くておもしろい。
そこを「見える化」したいなと。そのために、空手スタッツや、CGとか音楽にもこだわった競技解説動画を作ったんですよ。
~360度ムービーシステム~
さらに、「形」の練習に使えるようなものができないかと思って、ほら、この道場、ぐるっと見回してみてください。
カメラが32台ついてるんです。
あーほんとだ!何ですかこれ!
これは、「形」の演武を全方位から収録して360度、好きな角度からの動画がPCやスマホで見れるシステムを組んだんです。
佐藤さん、ちょっとここで何か動いてみてください。
えー!何すればいいんですか!?
じゃあ、ちょっと基本的な動作を教えていただいていいですか?
うわー!すごい!おもしろい!
あー、いろんな角度で再生できるから先生のお手本もよくわかるし、自分の動作のチェックにもなりますね!
まさに「見える化」ですね!
われわれは「空手の見える化・DX化」と呼んでいます。
こういうことって、その世界に入りこんじゃうとこれはこういうものだと思い込んで客観的に見られなくなってしまうんじゃないかと思うんですね。
「Break Through ~伝統に革新を~」
例えば、私は野球とサッカーが好きなんですが
その競技のことをわかっているので違和感なく見れる。見えてしまえるんですね。
それを空手に置き換えると、どうなるか。
自分の中に、何か違和感があるんですよ。
何でわかりにくいんだろう?何でこうなってるんだろう?って。
で、空手の世界にいらっしゃる方にお話を伺ってもあまり反応がないんですね。
こうやってきたし、こういうもんでしょ、って。
だからそこに、今までとは違うやり方、何か新しいアイディアを持ってくることで「革新」しているわけです。
つまり、空手という「伝統」的な世界を見える化・DX化して、そこに「革新」を加えてるんですね。
「伝統と革新」! まさに「R18」のコンセプトそのものですね!
「R18」のコンセプトが「伝統と革新」と聞いて私もびっくりしました(笑)
全日本空手道連盟のスローガンは「Break Through ~伝統に革新を~」なんですよ。
「伝統と革新」じゃなくて「伝統に革新を」なんですね。
そう言われてちょっと目からウロコと言うか、私たちは「伝統と革新」って並列で言ってますけど
よく考えると、伝統を継承しつつ、そこに革新を加えていくという意味では「R18」のコンセプトも「伝統に革新を」ということかもしれないですね。
「革新」と言っても、ぜんぶを変えてるわけじゃないですからね。守るべきところは守って、変えたほうがいいところは変えていく。その両輪でやってるんですね。
「R18」もそうだと思うんです。外見は、BMWが100年守り続けてきたバイクのデザイン。だけど機能的な面では技術革新を取り入れてるわけですよね。そこは同じだなと思います。
一気にぜんぶ変えてしまうとまったく別のものになってしまいますからね。