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「伝統と革新」を標榜し今の時代に異彩を放つBMW R18と、
さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
今回は、IWASE/TOYAMAの古民家を改築した酒店で、
さまざまなお酒の魅力を伝えている酒商 田尻本店の犬島唯司さんにお話を伺いました。
ともに、セールスを生業とし、お酒好き・バイク好きという二人の対話。
はたしてどんな展開に?
犬島 唯司酒商 田尻本店 店主
唎酒師 ワインアドバイザー
富山県富山市生まれ。神奈川県の酒屋で2年間の修行の後、2012年、富山市岩瀬で酒商 田尻本店オープン。日本酒とワイン、特に満寿泉のラインナップに力を入れ、酒蔵や農家に足を運んで得た作り手のこだわりとともに、お酒の魅力を国内外のお客さまに伝えている。
酒商 田尻本店 http://www.tajirisaketen.co.jp/
佐藤 剛史BMW R 18公式アンバサダー
モトラッドさいたまシティ勤務 BMW認定アクセサリーアドバイザー
家の近所だったから、という理由で入社したものの、すっかりBMWの世界の虜となり、Motorradの世界観をたくさんの⼈々に伝えるべく、様々な活動を展開中。
「オートバイをご購入頂いたお客様には最高に人生を楽しんでいただきたい!」との想いで、オートバイ、車、ロードバイクはもちろん、筋トレ、映画、釣り、キャンプ、歴史探訪、カメラなど、自ら率先して楽しむ1992年9月25日生まれのてんびん座。モットーは「人生を無駄に美しく。」
MOTORRAD SAITAMA-CITY https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-saitama-city/ja/home.html
  • -1. オート三輪 vs. R18!
  • -2. 排気量、一升!?
  • -3. 大量のお酒に囲まれてのお酒トーク
  • -4. セールスの楽しさと難しさ①
    ~バイク ソムリエ!?~
  • -5. セールスの楽しさと難しさ②
    ~稲が飾ってある酒屋~
  • -6. お酒界の「伝統と革新」
    ~日本酒を熟成させる?~
  • -7. R18イメージのお酒はどれだ!
-1. オート三輪 vs. R18!

なんですかこれ!めっちゃかわいい!

これはうちの社用車。オート三輪です。

こんなのよく手に入りましたね…

昔からオート三輪いいなあと思ってたんですけど、今はもうないんですよね。
ヤフオクとかネットでさんざん探して、ちゃんと動くものをようやく見つけたんです。

これでお酒の配達とかされるわけですか?

近所だけですね。
遠くまで行って動かなくなるのが恐いんで(笑)

昔の三河屋さんみたいな感じでいいですね!

ですよね。昭和30年代40年代の三河屋さんとかはこれで配達してたんですよ。
「ちわー!三河屋です!」って(笑)

私も一応バイク屋なんですけど、これはいいなあ…

じゃあお互いに小売業者ってことですね(笑)

ですね。今日はお客さまに商品をおすすめする秘訣などを伺えればと、楽しみにしてきました。
これ、実際に使ってるのがいいですね。

動かないものはまあまああるんですが、こういうものを飾って眺めるのは趣味じゃないので、あくまで動くものを探してたんですね。
でももう50km/hぐらいまでしか出ないし、40km/h超えたら壊れそうな音がします(笑)

昔のクルマやバイクはメーターの上限の数字の半分、
ちょうどメーターの真ん中あたりが適正スピードだって言いますね。

メーターのいちばん見やすい位置ですよね。
僕もそれ聞いたことあります。

可愛いものってずっと見てられるなあ…
片や掘り出し物のクラシックカー、こっちはクラシックタイプの最新オートバイ(笑)
2台並べて写真撮っておこう!

-2. 排気量、1升!?

今日乗ってきたのはR18のPureっていうモデルなんですけど、
ご覧になった印象はいかがですか?

いやー、カッコイイですねー!
この取材、岩瀬のいろんな作家さんの所を回ってるじゃないですか。
実はすごく気になってちらちら見てたんですよ(笑)
かっこいいバイクだなあ!でも何でこんなバイクがここに?って思ってたんですよね。

お騒がせしてます(笑)
このモデルはR18の中でもいちばんベーシックなモデルで、クルーザーの王道スタイルですね。
コンセプトは「伝統と革新」と言ってますけど、伝統的なものと最新技術を融合させて
ボクサーエンジンのドコドコいう乗り味を体感しながら、のんびり走る。
そういうエモい走りが楽しめるバイクです。
ぜひまたがってみてください。

いいんですか?
なんかね、バイクに乗り慣れない人間が乗っても様にならないんじゃないかな…

いえいえ、とてもよくお似合いですよ。
じゃあエンジンかけてみましょうか。

おー!
あー、すごいケツに来ますね!
ブワーッて!

クルーズコントロールがついているので、
車両によっては前のクルマに追従したりもできるんですよ。

バイクにクルーズコントロール!?

ですね。いろんな最新の技術が搭載されてるんですよ。
でも、僕が思うこのバイクのいちばんおもしろいところって、
1800ccっていうところ。日本酒で言えば1升ですね(笑)

あー!排気量1升(笑)

900CCぐらいのバイクってよくありますよね。
それがここに2台付いてるようなものです(笑)

すげーっすね(笑)

でも今の時代に1800ccってすごい無駄なんですよね。
200km/hくらい出せるんですけど、でも乗ってて
いちばん心地いいのは80km/hあたり。振動を楽しみながらのんびり走る。
で、他のクルマやバイクにどんどん抜かれてくんですけど、
それがいいんですよ。「どうぞ抜いてってください」みたいな。

あーでも振動を楽しむっていうのがすごいわかります。
なんて心地いいんだろうって。

BMWのこのエンジンの振動って、人間のハートビートと
すごい似てるんですよね。すごく心地良い感じです。
振動って、けっこう疲れがたまったりして嫌がる人もいますけど、
このバイクに関しては乗っててすごく心地いい。
で、いちばん気持ちのが80~90km/hぐらい。

わかりますわかります。
バイク乗りなら、ああ、なるほどってなりますね(笑)

けっこうトルクがあるんですよ。馬力はそうでもないんですけど。

あー、アクセル開けるとグンッと上がっていく感じしますね。

そう。トルクを一気に感じられるんです。
その瞬間が乗っててすごく楽しいんですよね。
クルマもバイクも馬力じゃないんだな。
乗ってる感じってトルクでいちばん感じるんだなって。
それがすごくわかりやすく楽しめるモデルなんですよ。

なるほど。たしかに。

あと、このマフラーは昔のアメリカンテイストで、
フィッシュテイルっていうのを付けています。

これもかっこいいですよね。

魚のしっぽの形なんですけど、われわれからすると
お寿司とかお弁当に付いてる「醤油差し」にしか見えない(笑)

あー(笑)

他にも無駄な機構があって、ここ、ドライブシャフトなんですけれども、
むき出しなんですよね。走ってる時クルクル回ってるわけです。
もちろん運転してると見れないんですけどね(笑)

シャフトなんだ。おもしろいなあ(笑)

いろいろこのバイクを味わっていただいて、あとで、
このバイクに合うお酒を提案していただこうかなって思ってます。

うわー、いきなり無茶ぶりだなあ(笑)
じゃあお店の中でお話しましょうか。

-3. 大量のお酒に囲まれてのお酒トーク

うわー、すごい数のお酒が…
冷蔵庫というかすごい広い冷蔵室ですね…
ぜんぶで何種類くらい?何本くらい置いてあるんでしょう?

そうですね、厳密に数えてないけど
1500種類、15000本くらいあると思います。

すごい…そんな酒屋さん見たことないです…
で、こちらには囲炉裏があるんですね。
いいなあ。

冬には炭をくべたりしてますね。
お茶淹れたり、干物やお餅を焼いたりとか。
バタバタしているとそんな暇がなくなっちゃうんですけど。

でも、お茶を淹れるなら普通の卓上コンロとかの方が早いじゃないですか。
ある意味、無駄ですよね。
でもそういう無駄がいいんですよね。

無駄なところとか、遊び心とかっていうのを
僕も大事だなと思っているんですよね。

「無駄ほど美しいものはない。」というのが僕の持論でして。
人間、合理性ばかり追求したら多分つまらないと思うんですね。
こちらで料理屋さんとかにもお話を伺ってますけど、
生きていくだけなら、そんな手間をかけた料理じゃなくてもいい。
でもせっかく生きてるんだから、季節のものを食べて、それに合うお酒を飲んで、
っていう無駄なことが楽しい。
生きていく上では無駄なことだけど、
それを楽しむのが美しい生き方だよなあ、と。

そう思います。

お酒の配達だって、カブとか軽トラでいいんですよね。
オート三輪じゃなくていい。
1800ccだとさすがに配達するにはでかすぎて
無駄すぎかもしれないですけど(笑)

でもそれはそれでおもしろいですね。新しいかも(笑)

僕にとっては自分のプライベートの時間を
でかいバイクに乗って楽しむっていうのが
人生で素敵な時間なんですよね。

お酒もそうで、酔うだけなら適当なお酒を飲んでいればいいんですよ。
ストロング系のやつとか。
安いし手っ取り早く酔っ払えるんですけど、そうじゃないこだわりのところを
うちは追求してるんで、ほんと共通するところがあります。

ほんとお酒ってたまに飲み過ぎて二日酔いとかなるじゃないですか。
もう二度と飲まねえ!みたいな(笑)
でも喉元過ぎると何とやらで、また飲んじゃって、また飲みすぎちゃう(笑)

ですよね(笑)

何でなんですかね。こりないというか…

お酒にはそれだけ魅力があるんでしょうね。

お酒って歴史が古いじゃないですか。
神事とかで飲むお酒もあれば、日常で晩食として飲むお酒もあれば。
おめでたいお祝いで飲むお酒もあれば、悲しい時も飲みますね。
生きる過程で欠かせないものなんじゃないかな…

一人で飲む酒もあれば、人と飲むからおもしろいっていうのもあるし、
お酒ってほんと不思議ですよね。

いちばん好きなお酒は何ですか?

僕は日本酒とワインが大好きなんで、
その2つに徹底的に特化してお店を展開しています。

お若い頃からずっとこのお仕事をされているんですか?

もともと生まれた家が酒屋なので、物心ついた時から
自分は酒屋の子どもで将来も酒屋になるんだ、と思ってて、
結局そうなっちゃいましたね。
親が酒屋の仕事をしていて、なんとなく楽しそうには見えたんです。
昭和の時代なんで、商売もけっこう牧歌的な感じで
酒屋の仕事、楽しそうだなって。
で、大人になってちょっとお酒が飲めるようになって、
お酒ってすごい素敵だなと思い始めて。
これはやっぱりぜひ店を継ごうと思って決意を固めた。

僕もお酒が好きでいろいろ飲むんですけど
ワインと日本酒はそんなに飲めなくて。
ワインは天ぷら屋さんで白ワインを飲んだ時に
うわ、すごい合う!と思って飲めるようになったんですけど
日本酒だけはいまだに苦手なんですよね…
日本人として損をしているような…

どんなお酒もある日ハマる瞬間があるんですよ。

いつか来ますかね…

それこそ何かのお料理とバチッとベアリングした時に、
あ、これも美味しいんだって気づく時が来るんですよね。

先日御料理ふじ居の藤井さんもおっしゃってましたね。
お料理とお酒が「はじく」んだって。
(EPISODE16 日本料理×R18)
これだけたくさんワインと日本酒があるわけですけど、
全部飲まれたことあるんですか?

ひと通り全部飲んでます。

どれがどんな味か覚えられるものなんですかね…
頭の中にデータベースと言うか味の地図みたいなものが
蓄積されてるんですか?

そうですそうです。
1本丸々飲むわけじゃなくて、メーカーさんや輸入業者さんの展示会や試飲会とかで、
ちょっとずつ飲んで、これはこういう味だなっていうのを覚えてて。
で、気に入ったものがあれば仕入れるっていう、その繰り返しですね。

ずっと試飲してると味がまざるというかこんがらがってきません?

試飲みたいな経験を積み重ねていくと自分の中で基準ができてくるんですね。
これはあれより甘いなとか辛いなとか。
自分の中で基準があってそれはブレないです。
もちろん1日試飲してると最後にはバテてきますけどね(笑)

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