能登半島地震により、
被害に遭われた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
昨年、私たちは富山県岩瀬地区の皆さまに
大変お世話になりました。
スタッフ一同、一日も早く復旧されますことを
お祈りいたします。
さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
第13回も、一流の職人と料理人が集結する街、富山県岩瀬地区からお届けします。富山湾の魚を知り尽くし、そのおいしさを存分に味わってもらうため、丹念に仕込みを施し、一枚一枚丁寧に刺身で提供する「ねんじり亭」の三浦幸雄氏。BMW R18公式アンバサダー・佐藤陽子との対話は、極上の刺身をいただきながら興味深いお話を伺うとても贅沢な時間となりました。
食べログ https://tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16010451/
Instagram https://www.instagram.com/nenjiritei
R18アンバサダーを努めるなど、より多くの人にブランドを体感して頂けるよう、日々活動中。
モトラッド世田谷 https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-setagaya/ja/home.html
- -1. 作務衣×R18
- -2. なぜ富山に? ~天然のいけす・富山湾のひみつ~
- -3. 料理人になるきっかけ
- -4. 「富山にいるのになんで富山の魚をちゃんと使わないんだ?」
- -5. ねんじり亭のスタイル
- -6. ねんじり亭の刺身 ~おいしく食べるためにぜんぶやる~
- -7. 三浦さんの料理の技法 ~「伝統」を疑問と理屈で「革新」へ~
- -8. 刺身×R18のコラボ!?
お、来ましたね。やっぱり実物はでかいなあ!
こんにちは!
そうなんです!化け物みたいにでかいんです(笑)
オートバイって乗られたことありますか?
高校時代にオートバイに乗ってましたね。
でも二輪は倒れるので最近は四輪にしてます(笑)
真理ですね。二輪は倒れる(笑)
でもこのオートバイ、R18っていうんですけど、エンジンが出っ張ってるので、
倒れてもゴチッ!てなるだけなんですよ(笑)
ゴチッ!はいやですね(笑)
でも、出っ張ってて下にある分、抜群の安定性なので、そうそう倒れたりしないんですよ。
よろしければちょっと乗ってみてください。
こんな格好で乗る人はまあいませんよね(笑)
いや、でもすごくかっこいい!というか新しい!
このオートバイって、どんな服装でも似合っちゃうというか受け入れちゃうんですよね。
ああ、いいなあ…
ちょっと遠出したくなりますね。
ツーリングがすごくラクで楽しいんですよ。
じゃあお店の中におじゃましてお話を伺っていいですか?
どうぞどうぞ。
うわー、素適なお店ですね…
壁に描かれている絵も美しい…
この絵は八王子に住んでる画家の方に描いてもらったんですけど、
岩椿といって、断崖絶壁に咲く花らしいです。
で、その奥様がデザイナーでこの作務衣を作ってくれたんですよ。
このおしゃれ作務衣がとってもお似合いで、R18とも絶妙に合ってました(笑)
じゃあ三浦さんの生い立ちというか、現在に至るまでを伺っていいですか?
生まれは気仙沼なんです。
そこから東京に出て修業して、その後、大阪。
それから富山、という流れですね。
転々としてますが、今となっては富山がいちばん長いかな。
富山にはどんなご縁で来られたんですか?
実は奥さんだった人が魚津の人で、このへんは30年前からうろうろしてたんです(笑)
で、自分でお店をやろうと思った時に、気仙沼に帰るかこっちでやるかどうしようかと。
~天然のいけす・富山湾のひみつ~
なぜ富山を選ばれたんでしょう?
気仙沼もいい魚がたくさん獲れるんですが、
日本で魚の種類がいちばん多いのは富山なんじゃないかな。
へえー!そうなんですね!
魚って、あたりまえですけど味がぜんぶ違う。
で、季節によって獲れる魚も違いますが、環境の変化でも変わるんですね。
たとえば、今の季節だとメダイとかサワラですけど、前はいなかったんです。
でも、千島暖流に乗って富山湾に入り込んだやつが自然繁殖してたくさん獲れるようになった。
30年前は年間数本しか獲れなかったんですよ。
そんなことがあるんですね!不思議!
富山湾って「自然のいけす」ってよく言われるんですけど、
それはなぜかと言うと、深さがほどいいんですね。
深い海にいる魚はいるんだけど、サメはいない。
サメが棲みつくほどじゃないんです。
あと、一級河川が5本流れ込んでるから餌が豊富。
日本アルプスに磨かれた天然水!
海底からも立山の伏流水が湧いてくるんです。
へーそうなんですね!
最高の条件が重なってるんです。
そういうところだとお魚はおいしくなるんですね。
やっぱり餌と水温がいいんですね。
普通、メダイとかサワラって塩焼きで食べないと思うんですよ。
たいていは粕漬や味噌漬け。
脂がないから旨味が少なくて加工しないとおいしく食べれない。
あーなるほど…
でも、ここのサワラは塩焼きでもおいしい。
夏の魚、イサキもそう。
前はいなかったんだけど少しずつ増えてきて、
他所で獲れるやつより脂がのってておいしいんです。
もしかしてそれって地球温暖化の影響ですか?
温暖化って言っても海の表面の10mなんですよ。
富山湾は夏は魚が獲れないって言うんですけど、定置網は浮いてるから
それにはかからないだけで、その下に魚がいるんです。
だから釣りをすれば獲れる。
毛ガニも獲れるようになってきた。
乱獲しなければ10~20年後にはたくさん獲れるようになるんじゃないかな。
だから富山湾ではしばらくカニ漁はしないほうがいいと思うんです。
料理する人にとって富山って最高の土地なんですね!
皆さん魚屋さんから買ってるんですけどね(笑)
減る魚もいるけど増える魚もいるんです。
料理人になろうと思ったきっかけは?
私は男3人兄弟なんですけど、母親がちょっと変わった人で、
目を離すとすぐどこかに遊びに行っちゃうんです(笑)
おふくろはいわゆる田舎の雑貨屋、何でも売ってるような。
で、店の前がバスの発着所になってて、その世話もしたんです。
ある意味、宮城交通を仕切ってた(笑)
で、団体旅行とかあると必ず付いてっちゃう(笑)
アクティブな方だったんですね(笑)
父は小学校の先生で忙しいから、母親がいないと
一番年下の私が店番と食事係をやらされる。
上からの命令です(笑)
家庭の事情で料理ができるようになっちゃった(笑)
まあそんなこんなで、高校出たら料理の道に進もうかと思って。
最初は東京の会社で、仕出しというかお惣菜を作るところに入ったんです。
ご飯のおかずを作ってた。
お家でやってたこととあまり変わらない(笑)
そしたらそこに、ある日ちょっと不良ぽい板前が入ってきたんです…
不良っぽい板さん(笑)
昔は板前って包丁一本で料理屋とか渡り歩いてたんですね。
で、和食をやらないか?と誘われたんです。
神奈川県の鶴巻温泉の旅館。
そこで4年間働きながら修業させてもらったんです。
それが今のお店につながってるんですね。
まあそうなんですけど、その後、実は大阪の会社の独身寮の管理人になるんです。
28歳の時でしたね。
あら、寄り道しちゃった(笑)
なんかね、小難しいことしたくないなあって…
料理の道を究めたくてあちこち、っていうわけじゃないんです(笑)