能登半島地震により、
被害に遭われた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
昨年、私たちは富山県岩瀬地区の皆さまに
大変お世話になりました。
スタッフ一同、一日も早く復旧されますことを
お祈りいたします。
さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
第11回は、初の料理人の登場です。前回に続いて、一流の職人と料理人が集結する街、
富山県岩瀬地区から、蕎麦とひたむきに向き合いつつ、お客様に蕎麦を楽しんでいただくべく
「劇場型」蕎麦屋「口岩」をオープンし、日々グルメをうならせる口岩倫彦氏と、
BMW R18公式アンバサダー・佐藤陽子による対談をお届けします。
「劇場」の立役者ならではのトークを、おなかいっぱいお楽しみください。
口岩倫彦Instagram https://www.instagram.com/tomohikokuchiiwa/
R18アンバサダーを努めるなど、より多くの人にブランドを体感して頂けるよう、日々活動中。
モトラッド世田谷 https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-setagaya/ja/home.html
- -1. R18に乗ってたら…?
- -2. いざ、劇場空間「口岩」へ
- -3. 自分がおいしいと思うものを提案すること
- -4. 劇場型蕎麦屋「口岩」に至るまで
~やらかし事件簿①~ - -5. 劇場型蕎麦屋「口岩」に至るまで
~やらかし事件簿②~ - -6. 劇場型蕎麦屋「口岩」に至るまで
~やらかし事件簿③~ - -7. 岩瀬は「マスダーランド」?
- -8. R18に乗るとごはんが5倍おいしくなる!?
- -9. なぜ蕎麦屋になったのか
~手打ちそばを初めて食べた時の衝撃~ - -10. 「口岩」の料理作法
- -11. 「口岩」の「伝統と革新」
- -12. 蕎麦のフィールド・オブ・ドリーム
- -13. おいしい蕎麦を作るためのチャレンジ
- -14. エピローグ
~おいしいお蕎麦をいただきながら~
ああ、でかいですね!
そしてこの和風のあしらいがいい!
いろんなコラボレーションを通じて、このR18の世界観を広げていこうという取り組みをしてまして、
これは漆器の技法でR18をカスタムしてもらったんです。
Relation18 EPISODE5
おもしろいアプローチですね!
かっこいい!
このオートバイ、ぜんぜんハイテクに見えないかもしれないですけど、
ABSもついてるし、中身はほとんど4輪のクルマと同じような感じなんです。
見た目は100年前に作ったそのままと言ってもいい、
オートバイらしいオートバイの形なんですけどね。
今のバイクってもっとメカメカしいですよね?
BMWの他のオートバイは「最新技術の極み」みたいな、
アウトバーンでは時速200キロ出せるよとか、何をやっても転ばないよとか、
どんな道も走破できるよとか、いろいろあるんですけど、
このR18は、感情のままに乗ってください、魂で乗ってください、
みたいな感じなんですよ。
オートバイって、ハイスペックなのもいいけど、
おもしろくて楽しくて、もっとエモーショナルなものだよね?
っていうところに立ち返って作ったんじゃないかなって。
あ、お会いした途端いきなりアツく語っちゃいました(笑)
乗ってみていいですか?
どうぞどうぞ!エンジンもかけてみてください!
主電源を入れるとメーターが振れます。
その間にこの車両に異常がないか診断をしてるんですね。
すごい!
この張りだした部分がエンジンなんですけど、それがもうドコドコと、
1800ccもあるので鼓動感がすごいんですよ。
ほんとだ!生き物の鼓動ですね。
へー、すごいな…
なんか表情が「少年の顔」みたいになってますね(笑)
これって重量はどれくらいあるんですか?
350kgくらいですかね。
だから安定するっていうのもあるんですか?
オートバイって風とかいろんなものに影響受けるんですが、
このバイクは重いので動じないんです。
…あれ、桝田さん!
よう!こんにちは!
(桝田酒造 桝田隆一郎氏 EPISODE14登場予定)
いま、高校生の社会科見学で、この街を案内してるんですよ。
口岩くんのところも見せてあげようかな。
取材中ちょっとおじゃまします。
すぐ終わるから待ってて!
桝田さん、朝からハイテンションでしたね(笑)
いつもあんな感じですか?
ですね(笑)
すごくお忙しいと思うんですけど、いつも元気いっぱいです(笑)
お店の中は広いんですね!
オープンキッチンでキッチンの方が低くなってるから、お客さんから厨房が丸見え…
普通の蕎麦屋は注文を取ったら厨房に引っ込んで、
お客さんは出てくるのを待ってるだけになっちゃうじゃないですか。
蕎麦屋で厨房が見えるって、他にないと思うんですよね。
席に座ると目線が僕と同じかちょっと上になるようにしたんです。
劇場と言うかライブ会場と言うか、そんな感じにしたかったんですね。
お料理を待ってる間もすごく楽しいですね!
常に見られてるということに抵抗はないですか?
ここにいらっしゃるお客さんって、三つ星レストランだったり、
世界でもあちこちいろんなところでお食事をされてる方なんですね。
そうなると、料理がおいしいだけじゃなくて、店主の会話のスキルだったり、
店の作りからスタッフの動きまで、すべてが評価の対象になる。
もちろんおいしい料理を食べてもらうのがメインなんですけど、
ただおいしいものを出せばいいという時代じゃなくなってるんです。
お客さんのニーズもどんどん変わるので、食事の時間や空間を楽しませることが求められる。
なるほど…
岩瀬で活躍されてる方って、もの作りだけじゃなくて、
いろんなことをすべて一人でこなして完結させてらっしゃるなと感心しています。
お客さんが何を求めてるのか、何が欲しいかをちゃんと汲み取って、
高いスキルで、その人にとっての最高のものを作ろう、提供しようとされてる。
もの作りだけじゃなくて、おしゃべりだったり、おもてなしの空間の作り方だったり、
人としての生きざますべてが最高峰と言うか…
提案すること
でも、食に関して言えば、すべてのお客さんの好みに合わせる、
というのはちょっとむずかしいんです。
たとえば、蕎麦をうまく打てる人はいっぱいいるわけです。
でも、じゃあその蕎麦がすべてすごくおいしいかと言うと、
おいしいって人それぞれなんですよね。
みんな好みを持ってる。
蕎麦の食べ方でも、そのまま食べる人、おつゆにたっぷりつける人、
ちょこっとつける人…さまざまなんです。
蕎麦がおいしくてもつゆがな…、とか、人の好みってむずかしい。
蕎麦はこう食べるべしとかいろいろありますけど、
好みはしばれないですものね?
100人いたら100通りの好みがある。
すべての人の好みに合わせるなんてことは無理なんです。
だから、まず、僕はこれがおいしいと思いますけどどうですか?と、ちゃんと提案する。
口に合わなかったら次は来なくなる。
でも、マーケットとして考えると、お客さんは世界中にいらっしゃるわけで、
まずは自分は何を作りたいか、何を提供したいかが第一。
お店なのでお客さんマターだと思われがちですけど、実は僕らマターだと思っています。
なるほど…
何でもお客様に合わせるんじゃなくて、まずは自分の提案がないといけないんですね。
僕らはお客さんから「お前は何を食べてもらいたいんだ?」と問われているんです。
で、僕としては、まずは蕎麦を食べてもらいたい。
その先に蕎麦屋を楽しんでもらいたい。
お客さんがうちの店で過ごす時間はだいたい2時間から3時間だと思うんですけど…
普通の蕎麦屋さんって回転が速いですよね?回転が命と言うか…
うちは蕎麦屋という空間と時間を楽しんでもらいたいから3時間くらいですね。
その中でお客さんと会話をしながら、僕が食べてもらいたいものをお出しする。
「お蕎麦を楽しむ」はわかるんですけど、「蕎麦屋を楽しむ」ってどういうことでしょう?
それは蕎麦そのものだったり、僕の動きだったり会話だったり、お客さん同士の会話だったり…
外食っていうのは家庭では味わえない「非日常」なんです。だから「劇場」。
いろんなものを食べながら、お酒をかたむけながら、あーでもないこーでもないって言って、
帰る時に、「蕎麦がおいしかった」と言われるより「今日は楽しかった」って
言われるほうがうれしいです。
お客さんの味覚に残るんじゃなくて記憶に残る…
ですね。
僕は器用な方ではないので、すごいものは出せないんです。
流行りのフレンチのお店みたいに、お出しした瞬間、「うわー映える!」みたいなことはできない。
映えるお蕎麦って逆にむずかしいですね(笑)
そんなきらきらしたものは僕は蕎麦屋には求めてないんですね。
僕が蕎麦屋に行ったら自分は何が食べたいか、どういうつまみが食べたいか、
っていう視点でしか考えてないので、出し巻き玉子をお出ししたら、
「ああ蕎麦屋のだし巻き玉子だね」っていう言葉が、
ちゃんと返ってくるのがいいんです。
おいしいんですよね…お蕎麦屋さんの出し巻き玉子…
一つひとつとれば、蕎麦、つゆ、おつまみ、天ぷら…
おいしいお店はいっぱいあります。
でも、僕の好みかって言うとそうじゃない。
僕の好みは僕が出してるものなので、それでいいのかなって。
すべてのお店がみんな同じ方向を向く必要はない。